キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
体育館はビッシリ人で埋め尽くされていて、その中で行われる試合の注目度ったら尋常じゃない。
試合中のクラスが自分のクラスかどうかに関わらず、色々な場所から歓声が飛んでる。
なんて行事に熱い学校なんだ……。
ほら私、ただでさえ恥をかきかねないからさ?
そっちの不安も相まって、こんな中で試合をしなきゃいけないなんて思うと、キリキリと胃が痛くなってくる……。
帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい。
「あ!見て見て!丁度始まるところみたい!!間に合ってよかったー!!」
野々原さんが私の背中を叩きながらコート内を指さす。
その先には、球技大会実行委員の赤井くん率いるうちのクラスの男子バスケ班が整列していた。
「赤井くんたらやる気満々だね!なんでも、中学時代はバスケ部だったらしいよ!」
「へぇ」
「他にもうちクラスの男子はバスケ経験者多いみたい」
そうなんだ。
確かに赤井くん背も高いしすばしっこそうだし、見るからにバスケに向いてそう。
手首足首を回しながら、こんな場も慣れっこって感じだし、何だか頼もしい。
高級焼肉パーティも本当に夢じゃないかも。
なんて思っていたら。
「キャー!!五十嵐様カッコイイーー!!」
「五十嵐様がんばってーー!!」
突然会場内が黄色い歓声に包まれた。