キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
げっ!!
驚くことに、うちのクラスに遅れてコート内に上がってきたのは、会長のクラスのバスケ班。
そこには、気怠げな様子で首をパキパキ鳴らしている会長の姿もあった。
「うわぁ〜。まさか五十嵐くんのクラスと対戦とは」
「こ、この盛り上がりよう凄いね。赤井くん達完全アウェイって感じ」
そんな会話をいている間も、女子達の会長への声援が止む様子はない。
会長がモテるってことは知ってたけど、これほどまでとは……。
今更だけど私、すごい人と一緒に暮らしてるのかも。
当の本人は、どうでもよさそうだけど……。
「ま、まぁ。でも、問題は実力だから。大丈夫でしょ。会長、全然練習に出られてなかったみたいだし。赤井くん達は毎日頑張ってたんだもん」
「……だといいんだけどなぁ」
「?」
野々原さんの意味深な言葉の真意を問う間もなく、試合開始のホイッスルが鳴り響いた。
ジャンプボールから始まり、最初にボールを手にしたのはうちのクラス。
よしっ!!
思わずガッツポーズ。
赤井くん達は練習の成果もあってか息ピッタリで、ドリブルでグングン相手チームをかわしていく。
ゴール手前でパスが回ったのは赤井くん。