キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜

赤井くんはそのボールをシッカリと受け取ると、初心者の私でもわかるくらい綺麗なフォームで構えた。


放たれたボールはものの見事にゴールへと吸い込まれていく。


やった!!



「赤井くんすごいっ!!」



「赤井くーん!もう一本ーっ!!」



そんな私と野々原さんの声援は、赤井くんには届かない。



「五十嵐様頑張ってーー!!」


「そんなヤツらに負けないでーー!!」



会長への声援が、私達の声を遮ってしまうくらい、激しさを増したからだ。


中にはうちのクラスに対するブーイングまで飛び交っていて……赤井くん達凄くやりづらそう。


赤井くん達を応援している、うちのクラスの子達も圧倒されちゃってるよ……。


私の中でメラメラと燃え始める対抗心。


赤井くん達、あんなに頑張ってたんだよ?


私達が応援しなくて、誰がするんだっ!!!




「赤井くんーーーっ!!!頑張れっ!!!そんな鬼生徒会長なんかより、君達のが100倍カッコイイぞっ!!!負けるなーーっ!!!」




気付いたら、何も考えずに目一杯そう叫んでた。


こんなアウェイな状況で戦ってる彼らを少しでも励ましたくて。


そりゃあもう、腹の底から声を張り上げて。



……んが、完全にタイミングを見誤ってしまったらしい。
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