キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
体育館の中に静けさが戻り始めた瞬間に叫んでしまったようで、体育館内に私の声だけが高々と響き渡ってしまったのだ。
バレー班の方も、丁度試合が終わったところだったらしく、一斉に生徒達の視線が私へと集まってきた。
や、やばっ……!!
なんて最悪なタイミング……!!
コートの中の赤井くん達は、目をぱちくりさせて驚いているし、私の暴言をバッチリ聞いていたと思われる会長は頬を引きつらせ、“後で覚えてろよ?”と言わんばかりに目を光らせてくる。
ひぃぃぃ〜〜〜!!!!
こんなの後で何を言われるか分かったもんじゃない!!!
私の横で必死に笑いを堪えながら「ドンマイ」と震える手を肩に乗せてくる野々原さんに「笑わないで!」と涙目で訴えかける。
あー最悪。
会長の親衛隊には、睨まれまくってるし。
もう、ちっちゃくなって大人しくしてよ……。
そんなことを思いながら、試合が再開されたコート内に再び視線を向けた。
すると。
ん?
すでに激しいボールの奪い合いが始まっているというのに、会長だけが突っ立ったまま、まだこちらを見ている。
な、何!?
そんな怒ってるの!?
怪訝な顔でその視線を受け止めると、会長の口元がゆっくりと動き始めた。
「え?何?何て言ったの?」