キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
「まだ、微熱があるな」
「そ……そう?」
ほら。
会長は平然とこういうことをやってのける。
ドキドキして胸が落ち着かなくなるのは、いつも私だけ。
もしも私を女として見てたら、いくら会長だってこんなに余裕でいられるわけないでしょ?
会長が私を女として大事にしてるだなんて、やっぱり野々原さんの勘違いだよ。
額から会長の体温が離れていくと、何だかちょっと寂しい気持ちになった。
「野々原から聞いた。その足、お前達と試合してた城之内ってヤツにやられたんだってな」
「あー……うん。まぁ。何か勘違いされちゃってるみたいでさ」
何でかわからないけど、会長はすごく不機嫌な様子。
「そういうことは、すぐ俺に言え。そうすれば、今回みたいな事態にならなくてすんだかもしれないだろうが」
「ご、ごめん……」
「とりあえず、あの城之内ってヤツには後日生徒会からも厳重注意しておく」
そう言って、ベッドから離れようとした会長の腕を私は飛びつくように掴んでいた。
「ま、待って!いいっ!しなくていい!!」
会長はそんな私を驚いた様子で見ている。
「何でだ」
「だって……だって……」