キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
いや、ダメじゃん。
私友達いないじゃん。
うわ……虚しい。虚しくなってきた。
普段友達なんて…と思ってるくせに、今日ばかりは一人くらい作っとけばよかったと後悔する。
え?
これってもう、家に戻るしかないんじゃ……?
いやいやいやいや!
それだけは絶対に嫌っ!!
あんな家に戻るくらいなら死んだ方がマシ!!
とにかく、どこか一夜を明かせる場所を探さなくちゃ……。
と散々彷徨って、とうとう絶望に打ちひしがれたのは辺りが真っ暗になった頃。
誰もいなくなった公園のベンチで一人、バカな自分に涙が出そうになっていた。
どうしてこうも上手くいかないんだろう?
私、何か悪いことしたかな?
間違ってるかな?
間違ってるのはお父さんじゃないか……。
小さな頃から、何かにつけて“西園寺家の一人娘なのだから”と厳しかったお父さん。
どこに出しても恥ずかしくないようにと沢山の習い事をさせられて、私は当時、それが苦痛で仕方がなかった。
習い事の度に行きたくないと駄々をこねて、お父さんに叱られては泣きじゃくって。
だけどそんな私を、いつもお母さんが優しく宥めてくれた。