キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
「いいんじゃないか?」
……え?
「お前がその方がいいって思ったんだろ?お前の中でもほとぼりが冷め始めたってことだ。いつまでもこうしてるわけにはいかないんだし、帰ってきちんと親父さんと話した方がいいに決まってるだろ」
「それは……そうだけど」
私が聞きたいのは……そうじゃなくて……。
「まぁ、こうして少しの間一緒に暮らしたよしみだからな。お前がもう家出なんかしなくていいように、陰ながら応援くらいはしててやるよ」
意地悪だけどどこか優しい笑みを浮べる会長。
何でだろう?
そんな会長になんだか無性に腹が立ってくる。
……何よその余裕。
会長はいいんだ?
私とこうやって一緒に過ごすことができなくなったって。
全然どうってことないんだ?
……ヤバイ。
何だか泣きそう。
────バンッ!
勢いよくテーブルに手を付き立ち上がれば、会長が驚いたように私を見上げる。
「……っ会長は平気なの!?」
「え?」
「会長は、私がいなくなっても寂しくないの!?」
ムカつくムカつくムカつく。
寂しいって思ってるのは私だけなんだね。
私の中での会長は、こんなにも大きな存在になってるのに、会長の中での私は未だにただの“問題児”でしかないんだ。
すごい……ムカつくっ……!!