キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
ガチャガチャと自分の食器をまとめ、流し台へ。
「おい!」
食器を片付けて、無言でリビングを出ていこうとする私を会長が手首を掴み引き止める。
「お前……」
「……せ」
「は?」
「離せっつってんだ!!!!
この鬼ヘンタイ生徒会長がっっ!!!!」
*
アホか。
私はアホなのか……。
自室のベッドに潜り込み、私はひたすらさっきの暴挙を悔いていた。
鬼ヘンタイ生徒会長って……。
「小学生か。小学生の悪口以下か……」
もうやだ。
川に流され海に沈みたい。
どんだけ情緒不安定なんだよ私は……。
会長がしょうがなく私をこの家に置いてるのなんか分かってるのに。
寂しいも何もあるわけないじゃんか……。
────ブブッ。
枕元のスマホが震える。
モゾモゾとタオルケットから顔を出し、受信されたメッセージを確認する。
池崎さんからだ。
【今日、16時にうちの最寄りの駅で!】
そんなメッセージの後に、親指を立てた猫のキャラクターのスタンプが送られてきた。
そっか……。
そういえば、今日は夜から花火大会だった。
花火大会が始まる前に池崎さんちで、浴衣の着付けをしてもらうんだよね。