キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
……貧相で悪かったな。ほっとけ。
ちょっとはいいヤツなのかも…とか思いそうになった自分を殴ってやりたい。
いや、まずコイツを殴りたい。
「ところでお前はこんなところで何やってるんだ?」
ヤツから借りたブカブカのシャツに袖を通していると、いきなり核心をついた質問が飛んできてドキッとする。
「ア、アンタこそ。何でこんなところにいるのよ」
「俺は家が近いからな。近くのコンビニに行こうとしたら、絡まれてるお前を見つけた」
コンビニ?
コンビニとか行くんだこのお坊ちゃん。
「質問を質問で返すな。俺はお前のことを聞いてるんだ。問題児」
「私……は……」
さっさと言えとでも言うように、見下ろしてくる重圧にうっと声が零れそうになる。
“家出してきました”
“財布も忘れてきました”
“行くところもありません”
そんなこと言ったら、コイツは馬鹿にするかな。
“さすが問題児だな”とか言って鼻で笑われそう。
すっごーく想像つくんだけど……。
「ちょっと……あれよ。散歩よ」
「……ふーん」
ふーんて何よ。