キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
シンと静まり返る公園内。
どこか遠くの家で、犬がワンワン吠えてるのだけが聞こえてくる。
この男……。
本当に鬼なんじゃないの!?!?
「お前はバカか」
「なっ……!」
「こんな時間に、んな露出の多い服装で真っ暗な公園なんかを歩きやがって。襲ってくれって言ってるようなもんだろうが」
「露出……?ばっ!!…へ、変態!!」
「変態はお前だ」
会長は眉を寄せ、呆れたように溜息をつく。
仕方ないじゃない!
部屋着のまま着替える間もなく飛び出して来ちゃったんだから!!
ショートパンツに薄手の長袖シャツ一枚の自分の姿がやたら心許なく感じてきて、胸の前で手をクロスして赤くなる。
もうっ!
家を飛び出す前からやり直したい!
そしたら、お財布も上着も持って飛び出したのに!
そんなことを考えながら歯を噛みしめてたら、バサッと頭から何かを被せられた。
「何……?」
「着てろ」
さっきまで会長が羽織ってたシャツ?
え?
貸してくれるってこと?
シャツと会長を交互に見ていれば。
「貧相な体が惨めだからな。隠しとけ」