キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
会長の手から、乱暴にスマホを奪い取る。
『帰るのか?』
『はぁ!?あんたがそう仕向けたんでしょ!?』
『仕向ける?俺は話をつけてきただけだ』
『……話?』
何?
何言ってるのコイツ。
会長も会長で、私に何言ってんだ?って顔を向けてくる。
『お前の親、俺がお前の友達の親のふりしたら一発で信じたぞ?』
『……へ?』
『“お嬢さんが落ち着くまで、しばらくうちにいてもらってかまわない”って言ったら、“お願いします”だと』
なっ……!?
コイツ、嘘ついてお父さんの承諾を得たってこと!?
『あんたそんなことしていいと思ってんの!?!?とんだ嘘っぱちじゃない!!バレたらどうなるか分かってる!?』
『何だお前。校則違反はするくせに嘘ぐらいでビビるのか』
『そういうことじゃないでしょぉぉ!?』
何よ。
何でそんなことするのよ。
私なんてほっとけばいいじゃない。
何でそうやって関わってくるのよ。
あんただってお金持ちのお坊ちゃんでしょ?
私みたいな厄介者に関わったってメリットなんか何一つないでしょ?
学校のみんなみたいな態度の方がよっぽどまともだよ。
触らぬ神に祟りなし。