キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
会長が私の頬を思い切りつまんだからだ。
「にゃにひゅんの!!(なにすんの!!)」
「ビシバシいくからな」
「……え?」
「これから俺と暮らしていくんなら覚悟しておけ。どうせ、掃除も料理もまともにできないんだろ?全部徹底的に教えてやる」
「え……いや。た、頼んでないし……。遠慮しておきま……」
「だまれ」
会長は、不気味に片方の口角を上げる。
まるで、この状況をちょっと楽しんでるみたい。
「この家のルールは俺だ。放り出されたくなけりゃ、しっかり言うこと聞けよ?」
わ、私……
どうなっちゃうのーーーーーー!?!?!?
この後食べた会長が作ったオムライスは、下手なお店で食べるオムライスよりずっと美味しかった……。
*
────ここは……どこ?
景色も何も見えない真っ白な空間。
辺りを見回しても、誰一人見当たらない。
この世界に存在するのは、まるで自分一人のよう。
音すらも聞こえない。
一人ぼっちなんて慣れっこなはずのに、この時に限って込み上げてくる不安感。
立っていられないほど寂しくて、その場にうずくまる。