キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜

会長が私の頬を思い切りつまんだからだ。



「にゃにひゅんの!!(なにすんの!!)」


「ビシバシいくからな」


「……え?」


「これから俺と暮らしていくんなら覚悟しておけ。どうせ、掃除も料理もまともにできないんだろ?全部徹底的に教えてやる」


「え……いや。た、頼んでないし……。遠慮しておきま……」


「だまれ」



会長は、不気味に片方の口角を上げる。


まるで、この状況をちょっと楽しんでるみたい。



「この家のルールは俺だ。放り出されたくなけりゃ、しっかり言うこと聞けよ?」




わ、私……


どうなっちゃうのーーーーーー!?!?!?




この後食べた会長が作ったオムライスは、下手なお店で食べるオムライスよりずっと美味しかった……。













────ここは……どこ?



景色も何も見えない真っ白な空間。


辺りを見回しても、誰一人見当たらない。


この世界に存在するのは、まるで自分一人のよう。


音すらも聞こえない。


一人ぼっちなんて慣れっこなはずのに、この時に限って込み上げてくる不安感。


立っていられないほど寂しくて、その場にうずくまる。
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