キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜

もう!頭にくる!!


これでも一生懸命たたんだのに!!


ホント鬼!!


そんなことを思いながらも、口ばかりな自分に腹が立って涙が出そうだった。


普段、アレだけ西園寺の一人娘と言われるのを嫌がっておきながら、あの家にいた時の私は結局それに甘えてた。


本当に嫌だったら、滝本に止められても、お手伝いさん達に嫌がられても、少しは家事くらい手伝っておけばよかったんだ……。


西園寺家に囚われていたくないなんて、結局口ばっか。


なんだか、惨めなくらいかっこ悪い。


ここで泣いたら更にかっこ悪いと思って、涙目のまま唇を噛み締めていたら。



「俺だってそうだぞ」


「え?」


「俺だって、実家じゃ何もやって来なかった」



会長も……?



「だから、俺も家を出た時に努力をした」



会長の手が伸びてきて、そっと私の頬に触れる。


真っ直ぐな会長の瞳に私が映ってる。




「だから、お前もこれから努力しろ」




これから……?


これから努力するのでも遅くない……?



────ギュッ!!



「いったぁぁぁぁっ!!!」



一瞬で空気を変えるような叫び声を上げてしまった。
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