星夜光、きみのメランコリー


…この時に、あたしの中で、何かが崩れ落ちた。


“ 病院に連れていくわよ ”

“ イかれてるよね ”

“ 色にこころなんて、あり得ないよ ”


頭の奥底で、次々とそんな声が生まれた。

記憶の奥底から、黒でいっぱいに塗りつぶされた、卒業アルバムが見えた。

『星夜光』の色は思い出せないのに、お母さんが履いていたピンヒールだけが脳裏に蘇った。


頭が痛い。暗い。辛い。何も分からない。

自分が、いちばん分からなくなった。

あたしはオカシイのか。そう思った。

病院に行かなきゃいけないのか。

色が生きて見えることは、そんなにもオカシイことなのか。

…あたしはちがう。他の人とはちがう。


あたしは……———!!







『————ッ!』






…人間、頭も心もぱんぱんになると、もうこれ以上は無理なんだって、どこかでガス抜きをしようとするんだと思った。


どうして、こんなことをしたのかは、分からない。


でも、くるしくて。

考えることも、見ることも、感じることも、話すことも、すべてが一瞬でくるしくなった。


…あたしが作り出す世界。

あたしが、いちばん楽しいと感じる時間。

それさえを潰してしまえば、あたしはきっと大丈夫になるんだと、その一瞬で考えていたのかもしれない。



『…っ、きゃぁぁあ…!!』




…ぱんぱんに膨れ上がった自分の中の漆黒な想いは、じんわりと広がる痛みと、そこで泣き叫ぶようなクラスメイトの声で、少しだけおさまっていく気がした。






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