星夜光、きみのメランコリー


今日も、星色の髪と、彼の言うヘーゼル色の目は健在だ。まるでひとつの生き物のように、きらきらとしている。

…彼のすべてが、宝物のよう。


「…彩田さんさ、」


図書室が全体的にオレンジ色に輝く。その中で動く彼の声は、静かに鼓膜に響いて、耳全体に広がっていく。



「誰かにこの間のこと言ったりした?」



その声が心地よくて、思わずぼうっと彼の方を見つめてしまう。色々な色が混じった星の髪は、周りのオレンジ色も巻き込んで、太陽の光に近くなった。



「ねぇ、聞いてる?」

「えっ、は、ええっ、なに?」

「だから、俺が絵描いてること誰かに言ったりした?」



切れ長の目がこちらを向く。あ、またため息。あたしは、何回一色くんに呆れられたら気がすむのだろう。


それと同時に、さっき千種に絵を見られたことを思い出して、ハッとした。罪悪感からか、心臓がじんとする。



「えっ? い、言ってないよ」

「ほんとかよ」

「ほんとほんと! 言ってない! 内緒だもんね!」



じっと、あたしの顔を映す星の集まり。それに映った、焦っている自分の顔。

確かに彼はそれを見ていたはずなのに、何事もなかったかのように目を逸らした。



「…まぁいいよ。彩田さんに見つかった時点で色々諦めてたし」

「ちょっ、何それどういう意味ですかダンナ!」

「ダンナでもねーし、図星だろ」


ベチ、と出ていた額を叩かれた。ハイ図星ですと正直に答えたら、彼はなんと言ったのだろう。また、長いため息をつかれたのだろうか。そんな気がする。


< 26 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop