星夜光、きみのメランコリー
今日も、星色の髪と、彼の言うヘーゼル色の目は健在だ。まるでひとつの生き物のように、きらきらとしている。
…彼のすべてが、宝物のよう。
「…彩田さんさ、」
図書室が全体的にオレンジ色に輝く。その中で動く彼の声は、静かに鼓膜に響いて、耳全体に広がっていく。
「誰かにこの間のこと言ったりした?」
その声が心地よくて、思わずぼうっと彼の方を見つめてしまう。色々な色が混じった星の髪は、周りのオレンジ色も巻き込んで、太陽の光に近くなった。
「ねぇ、聞いてる?」
「えっ、は、ええっ、なに?」
「だから、俺が絵描いてること誰かに言ったりした?」
切れ長の目がこちらを向く。あ、またため息。あたしは、何回一色くんに呆れられたら気がすむのだろう。
それと同時に、さっき千種に絵を見られたことを思い出して、ハッとした。罪悪感からか、心臓がじんとする。
「えっ? い、言ってないよ」
「ほんとかよ」
「ほんとほんと! 言ってない! 内緒だもんね!」
じっと、あたしの顔を映す星の集まり。それに映った、焦っている自分の顔。
確かに彼はそれを見ていたはずなのに、何事もなかったかのように目を逸らした。
「…まぁいいよ。彩田さんに見つかった時点で色々諦めてたし」
「ちょっ、何それどういう意味ですかダンナ!」
「ダンナでもねーし、図星だろ」
ベチ、と出ていた額を叩かれた。ハイ図星ですと正直に答えたら、彼はなんと言ったのだろう。また、長いため息をつかれたのだろうか。そんな気がする。