星夜光、きみのメランコリー
土曜日の千歳くんとの時間を思い出してみた。あの少しの時間で、色々なことがあった。
なんとなくが多かった日。なんとなく、昔を思い出して落ち込んでたら、ちょっと強引に、でもやさしく「大丈夫」って言ってくれたなあ。
“ 俺がそれでいいって言ってんだから、いいんだ ” って。
千歳くんが、そう言いながら抱きしめて、頭を撫でてくれたことを思い出した。ちょっとだけ、顔が熱くなる。
…千歳くんは、やさしいんだって。やっぱりあたしたちは、少しだけ仲良しなのかもしれないって。
千種にそう伝えてもよかったんだけど、なんだか恥ずかしくなってやめた。
「でもね、千種以外の人で初めてかも。あたしの“ クセ ” を、なんでもないって言ってくれる人」
タコさん型のウインナーを口に運んだ。たまたましまい忘れて、となりに置いてあったお気に入りのノートを見る。
そこに描かれている星野光のような星たちの集まり。
…そういえば、土曜日は自分のことに必死で、ちゃんと空を見られなかったなあ。
「…王子は、あんたの色が生きてる感覚、知ってるんだ?」
「うん、まあね。変わってる奴だなとは言われるけど、特に何も言われないんだ」
「へえ〜。この短期間でそこまで理解したのか。すごいな王子」
千種の目が見開く。本当に驚いているらしい。
あたしの過去を全て知っている彼女からしてみれば、確かに大きな衝撃なのかもしれない。
今までは、本当のあたしを知って受け入れてくれたのは、千種だけだったから。