星夜光、きみのメランコリー
その帰り道、あたしは夕焼けを見ながら、いつも以上に色たちを見つけては、会話をしながら帰っていた。
“ 天香だ ”
“ 天香おかえり、おかえり ”
“ たのしそうだね ”
空から落ちてくる太陽の色。その降り注ぐ声と光に、眩しくて目を細めた。
『ねぇ聞いて。今日、久しぶりにきみたちの仲間とお話しちゃったんだ』
嬉しかった。あれから、珊瑚はいつも通り話してくれたし、途中まで一緒に帰ってきた。特に何も言われなかったけど、『天香の世界はすごいんだね』と言われた。
たぶん、あの感じだと、珊瑚はあたしの世界をまだよく分かってはいないんだろうけど、それでもよかった。
とりあえず、久しぶりに心から色たちと向き合えたことが嬉しかった。
こんな風に、手に持った鞄を振り回しながら、空に広がるいくつもの色のこころを感じることができること。それがしあわせで仕方なかった。
『ずいぶん、陽が長くなったもんね。きみたちの輝ける時間、長くなってきたね』
語りかける。声に出していることには、あまり気づかない。
“ 天香、もうすぐ夏だよ ”
“ ながいながい 夏だよ ”
『そうだね。一気に色が鮮やかになるからね。みんなの出番だよ。この世界に彩りを添えて、輝かせてあげよ!』
手を大きく広げて、降りてくる光の色を受け止める。
“ 天香ちゃん ”
そう言いながら、あたしの腕の中に入ってくるそれを、抱きしめた。
心地よかった。この世界にいることが。
誰にも邪魔されないで、久しぶりに色たちと向き合えた、この日のこの時間が、あたしはすごくしあわせと思えていた。
…でも。