地上の星―アカイ瞳ノ『バンパイア』―
「……かえらなきゃ…」
「どこへ?」
ベナノバスがそう呟いたので、私は問いかけた
「城へ」
「城…………???」
私はジロッとクライアンを見た
即座に逸らすクライアン
「どういう事…………?」
「俺は王子だ。城に帰るのは当たり前だろう?貴様はバカか」
「口調を直した方が良さそうね」
私はベナノバスを睨んだ
「貴様は気の強い女だ。王子とわかっていてそんな口を聞いて…。他の女とは違う」
「触らないで下さい」
クライアンが私の頬にあったベナノバスの手を強く握る
ギギッと爪が肉に食い込む、酷く鋭い音がした
そのクライアンの爪が刺さった手をピッと払いのけ傷口を舐めた
深い傷はあっさり治っていた