きみだけに、この歌を歌うよ
だけど……こうして改めて、辛い現実をつきつけられてしまうと。
じわりじわりと、悲しみが押し寄せてくる。
「……ちょっとトイレ行ってくる!」
次は私がいれたwithの『さくらが告げる春』が流れる番。
この曲も、愁と一緒にたくさん聴いた曲だ。
感情をたくさんこめて歌って、愁に私と過ごした日々を思い出してほしかったのに。
だけど私は、悲しみに耐えることができなくて部屋を飛び出してしまった。