きみだけに、この歌を歌うよ
もしかしたら九条くんがくるかもしれないから、少し待っていよう。
砂浜に座りこんだ私は、遠くに見える1隻の漁船を眺めた。
……やっぱり、今日はこないか。
1時間くらい漁船や島や、ぼーっと眺めていたけど、浜辺には誰もこない。
まぁ、明日は登校してくるかもしれないし……今日のところは帰ろうか。
さっと立ち上がった私は、紺色のスカートについた砂をはらった。
そして歩きだす。
となりの家だし……インターホンを押せばすぐに会えることはわかっていた。
だけど家にまで押しかけるって恥ずかしいし。
それに体調不良で寝てるかもしれないから、それはできなかった。