きみだけに、この歌を歌うよ
「どう?スカイバルコニーからの花火は?すごい綺麗に見えるでしょ?」
ニコニコしながら話しかけた私の胸は、九条くんとほど近くで目が合ったことでバクバクと暴れていた。
だって、まさか会えるとは思っていなかったんだもの。
嬉しい…。
「うん、すげぇよく見えるよ。だから菜々もどうかなって思って、それが聞きたかったんだ」
「え…?ちょっと待って…それってつまり……?」
私も一緒に、九条くんの家のスカイバルコニーから花火を見てもいいってこと?
「一緒に見る?」
「えっ……いいの?」
「いいよ。来いよ」