きみだけに、この歌を歌うよ
付き合っていたころと、少しも変わらない優しい愁。
だけど、私……。
それでも九条くんのことが好きだって気持ちは変わらないんだ。
「やっぱり打ち上げ花火の派手さには負けるけど、でも俺は菜々と一緒にいられるなら手持ち花火で充分だわ」
「私と一緒にいられるなら……?」
「うん。俺は誰よりも、菜々と一緒にいたいから」
私を好きだと言ってくれた愁に、私は九条くんが好きだからってちゃんとごめんなさいをしなきゃいけない。
私の正直な気持ちを言わなきゃいけない。
そんな私の気持ちに気づいてしまったのか、愁が悲しげに笑いかけてきた。
「だけど菜々は違うんだよな?いま、俺じゃない別の誰かの顔を思い浮かべただろ?」