きみだけに、この歌を歌うよ




******


あれから10日が経った。



「菜々、本当にひとりで行くつもりなのぉ〜?一緒に行こうよぉ、私も行くのにぃ」



スマホから聞こえる梓の声は、なんだか不満そうだ。



「私も行くってさ……伊崎くんも一緒にいるんでしょ?」

「あったりまえじゃん〜。私はひとりでショッピングモールには行けないもん。寂しいしっ」

「じゃあふたりきりでデートしてきなよ」



梓から伊崎くんと付き合うようになったって聞いたのは、浜辺で一緒に花火をしたあの夜のこと。

あの日から梓は、ほぼ毎日伊崎くんと一緒にいるみたいだ。



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