神様修行はじめます! 其の五のその後
 警戒心がすごく強くて、本来は人間のいる場所には寄り付かないから、門川の敷地内にいること自体がすごく珍しいんだってさ。


 なんつーか、大都会のコンクリートの中で、道に迷ったガラパゴスペンギン見つけちゃった気分。


 なんでこんなとこにいんのかな?


 さっきからぜんぜん動かないし、まさか死んじゃった?


 恐る恐る穴爪ネズミを眺めていたら、あたしの手の中にいた小人さんがパッと意識を取り戻した。


 そして手のひらから勢いよく飛び出して、いきなり穴爪ネズミに向かって襲いかかった。


「え!? ちょっとなにしてんの!?」


 ―― ササッ……!


 とっさに身を起こした穴爪ネズミが、小人さんの攻撃を間一髪でかわした。


 両者はお互いジリジリと距離を取って見つめ合う。


 小人さんは腰に下げた極小の刀を抜いて、スッと身構えながら敵を睨み据えた。


 ふたりの間には、命を賭け合う者同士の緊迫した空気が流れる。


 あたしはその一触即発の気配に、いまにも呑み込まれそうに……


 は、ならなかった。


「もしもーし? あんたら、なにしてんの?」


 あたしはその場にヒョイとしゃがみ込んで、のんきに上から話しかけた。
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