神様修行はじめます! 其の五のその後
「なんか知らないけど、小人さんたちが穴爪ネズミを大挙して襲ってるんだよー!」


 あたしの声に被さるように、あたしの靴の上の小人さんも絹糸に向かって、必死になにかを訴えている。


 でもやっぱり複雑な音の混合体にしか聞こえなくて、まったく意味不明だ。


 ところが、その声を怪訝そうな表情で黙って聞いていた絹糸の金色の目が、驚いたように大きく見開かれた。


「小娘!」


「は、はい!」


「事情は聞いての通りじゃ! 今すぐ捕まえよ!」


 ……はい?


 なんだ、絹糸って小人語が話せたの? 頭いいんだね。


 でも『聞いての通り』って言われても……


 聞いたけど分かんない人はどうすりゃいいのよ?


 あ、いや。問題なのはそこじゃない。


「捕まえろって、なにを?」


 頭をポリポリしなから聞き返すあたしに、絹糸はツバを飛ばして怒鳴っている。


「決まっておる! その穴爪ネズミじゃ!」


「はあ? なに言ってんの絹糸ってば」


 あたしにまで集団イジメに加担しろってか?


 冗談じゃないよ。そんな根性腐った真似なんか絶対にしないからね?


「どうしちゃったの絹糸。貴重種は丁重に保護しなきゃだめじゃん!」


 しかめっ面で説教するあたしを見て、絹糸が自分の足元の床をビシバシ猫パンチしながら、すんごい形相で反論してくる。


「痴れ者が! その穴爪ネズミは、しま子の指をかじったネズミかもしれぬのじゃ!」


「指をかじった? だからってこんなヒドイ復讐しなくても……」


 言いかけたあたしは、ハッと息をのんだ。
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