神様修行はじめます! 其の五のその後
 ―― バサバサバサッ!


「うわわわ!」


 絹糸が方向転換したとたんに、無数の何かに取り囲まれて周りが薄暗くなる。


「なにこれ! あ、ウツボカズラ!」


 凍雨くんの攻撃から逃れたウツボカズラの残りが、一斉に襲いかかってきた。


 何十匹ものウツボカズラが、大きな葉っぱの羽をバサバサさせて、あたしたちを囲んでいる。


「どうやら、我らにエサを横取りされたと思って怒っておるようじゃな」


「なにそれ! 横取りしようとしたのはあっちの方じゃん!」


「アマンダの言う通りですわ! それにエレオノーラちゃんはエサなんかじゃありませんわ!」


「そーだそーだ! そこどけ空飛ぶ食虫植物!」


「天内さん、権田原さん。ウツボカズラに理屈を言っても通じませんよ」


「ええぃ、バサバサと鬱陶しいのう。小僧、こやつらを片付けい」


 キィンと空気が冷えて体の芯がキンキンに凍える。うひょ、寒い!


 強烈な冷気にブルブル身震いすると、ウツボカズラたちの表面にも白い霜が覆い始めた。


 よっしゃ。これでウツボカズラを一掃でき……


「待って、凍雨さん!」
< 44 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop