神様修行はじめます! 其の五のその後
 そりゃたしかに『火』は、あたしの得意分野だけど。


 実は最近、いろいろ事情が重なったせいで、ちょっと修行をサボってまして。


 少し腕が鈍ってしまった感がある。


 こんなに至近距離で、しかもこんなに数が多い敵を、狙って攻撃できる自信がない。


「あたし、もともと性格が大らかだから細かい作業が苦手なんだよ。ウツボカズラじゃなくて、みんなを滅っしそうで怖い」


「やれやれ。まだお前はそんな低レベルなことを言うておるのか。実に情けない」


 心の底から情けなさそうに息を吐く絹糸に、あたしは唇を尖らせた。


 だって人間には、向き不向きってのがあるんだもん。


「あたしだってね、難しいことぜんぜん考えないで、ショベルカーみたいにガーッと一掃するだけなら得意だもん!」


「性格のズボラな破壊神みたいなことを言うとらんで、早くなんとかせい。しま子のためじゃ」


 あたしはハッとした。


 そうだ。しま子。


 穴爪ネズミを無事に連れ帰れば、しま子の記憶が戻るかもしれないんだ。


 そのためならあたし、なんでもする!


 なんでもできる! できないことでもやってやる!
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