神様修行はじめます! 其の五のその後
 奥方の事件のときも、鬼が敷地内に入り込んだ。


 あれは奥方がわざと鬼たちを引き込んだんだけど、でも鬼たちの方も、仲間を裏切って人間の味方になったしま子に制裁を加えようと狙っていた。


 鬼は他の異形と違って、厄災という概念そのものが形を成しているようなもの。


 絹糸のような神獣とは真逆の立ち位置で、畏怖すべき高次元の存在だ。


 それが、人間という俗な世界の代表である存在に拘束されて自由を奪われている。


 だから……。


「自分たちの元に取り返しに来たのじゃろう。しま子を」


「そんなんダメだよ!」


 せっかく、しま子の記憶が戻るかもしれないのに。


 鬼たちに奪われるわけにはいかないよ!


 それにもしかしたら、奥方の事件のときみたいに命を狙われるかもしれない。


「阿・吽、事情はわかったから早くここを通して! その鬼、一匹残らず追っ払ってやる!」


 結界が解かれると同時に、絹糸が文字通り飛んでいく。


 鬼たちの目的がしま子なら、場所は道場だ。絹糸、間に合わなくなる前に急いで!
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