神様修行はじめます! 其の五のその後
 その実感のこもった言葉に、胸がキュンと切なくなる。


 うん。ありがと、門川君。


 門川君はあたしが現世と縁を切ったことを、いまだに自分の責任だと思ってるんだよね。


 それにたぶん、彼のお母さんのことを思い出しているんじゃないかな?


 門川君のお母さんの淡雪さんは、正妻じゃなくて、愛人の立場だった。


 そのせいで散々苦労したあげく、命を落としてしまった。


 あたしも淡雪さんと同じ運命を辿るんじゃないかと、心配でたまらないんだろう。


 だから、なんとしてもあたしと結婚して、少しでもあたしの立場を安定させたい思ってくれてるんだ。


 門川君の気持ちは、とっても嬉しい。


 でもね、だからこそあたしは安心して、門川君の正妻という立場よりもしま子を選べたの。


「ねえ、門川君。正式に結婚できなくてもさ、門川君はあたしのことが好き?」


「ああ。もちろん」


「正式な奥さんじゃなくても、あたしのこと守ってくれる?」


「当たり前だろう。なにがあっても守ると誓うよ」


「一生、あたしと一緒にいてくれる?」


「一生どころか永遠に一緒だ。たとえ“死”をもってしても、僕たちを引き離すことはできない」


「門川君……」


 彼の嬉しい言葉に胸の奥がキューンと痺れる。


 熱い視線を送るあたしに、門川君は、すごく真面目な顔して言葉を続けた。


「年を取って、もしも僕が君より先に死んだら、魂になって君を監視し続けるつもりだ」


 監視って……。


 それちょっと方向性が間違ってません?


「……あたしが先に死んだらどーすんのよ?」


「君の魂を呪術で拘束して、決してあの世に行かせないから大丈夫だ。絶対に僕は君を手放さないから安心したまえ」
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