神様修行はじめます! 其の五のその後
「小娘! 油断するでない!」


 絹糸が鋭く一喝する。


 それと同時に鬼たちの全身に、禍々しい気の力がブワッと増幅された。


 すると鬼の体を包んでいた滅火の炎が、幻みたいにフーッと消えていく。


 ……え!? き、消えちゃった。


 呆気にとられて見ていると、怒りに形相を変えた鬼たちが、あたしに向かって突進してきた。


 うわあぁ! ちょっと、こっち来んな!


 どうせなら上層部のおっちゃん連中の方へ行け! それなら喜んで差し出すから!


 ―― ド――――ン!


 閃光と雷音が轟き、鬼たちに直撃する。


 ギュッと両目をつぶって身を固くするあたしの耳に、絹糸の怒声が聞こえた。


「痴れ者が! 鬼はお前ひとりの力で、どうこうできるものではないわ! じゃから気を抜けば死ぬと言うておるのじゃ!」


 ひえぇ、ご、ごめんなさい!


 そうだ。あの門川君や永世おばあ様でさえ鬼には苦戦するんだ。


 こっちが圧倒的に不利なことを忘れちゃいけない。
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