神様修行はじめます! 其の五のその後
 弱音なんか吐いたことのない塔子さんの顔が、なんだか泣きそうになってる。


 これは本当に一刻も早く治療しないと手遅れになるかもしれない!


 そのためには鬼たちをなんとかしなきゃ。でも、この場で戦えるのは同じ鬼のしま子だけだ。


 でもでも、鬼は4匹もいる! 単体ではしま子の方が圧倒的に強いけれど、さすがに多勢に無勢だよ。


「しま子! 鬼神の姿に戻って戦って!」


「おそらくそれは無理であろうな」


 絹糸が、ひとりで戦うしま子を厳しい表情で見つめている。


「なにしろ、鬼の力を封じる術陣の中にずっと閉じ込められていたからのぅ」


「あ……」


 そうだった。しま子が暴れるから、仕方なく術陣の中に閉じ込めっぱなしだったんだ。


 純粋な鬼の状態だったしま子が、記憶と自我を取り戻して『しま子』に戻ったおかげで、陣から出られたんだろう。


「しばらくの間は鬼神の姿には戻れまい」


「じゃあどうするの!? あいつら、しま子のこと集団イジメしてるじゃんか!」


 卑怯者! 一対一で戦え!


 それならしま子は絶対に負けないのに!
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