俺様社長に甘く奪われました

 百合がふたを開けてくれたお重には、目にも鮮やかな料理がぎっしり。一番上はルッコラやミニトマト、生ハムが入ったサラダ。二段目には筑前煮や鳥の唐揚げ、ローストビーフ。三段目には美しい色合いのちらし寿司だった。


「おいしそう……」


 莉々子が思わず呟くと、百合は「まぁ嬉しい」と頬を染め、「遠慮しないで食べてね」と料理を取り分けてくれた。
 そしてその味は見た目ばかりじゃなく本当においしいもので、莉々子はつい何度もお代わりをしてしまう。


「莉々子さんの食べっぷりは、見ていて気持ちがいいわね」
「……すみません、とってもおいしいので」


 百合にそんなことを言われ、莉々子が恥ずかしさに縮こまる。


「食い意地が張ってるんだよな」
「ひ、ひどいですっ」
「見たままを言ったまでだ」


 奏多がいたずらっぽい目で莉々子を見る。
 そんなやり取りを見ていた百合さんは、「ふふふ、仲良しね」と笑った。

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