俺様社長に甘く奪われました

 奏多は食事の間に用意していたのだ。


「莉々子は俺が洗ってやる」
「えっ! だ、大丈夫ですってば!」
「そうはいくか。その手でどうやって洗う? 浅いとはいえまだ傷口は塞がってないぞ」
「そ、そうですけど……」


 奏多に洗ってもらうことを想像するだけで、莉々子はそのあまりの恥ずかしさに顔に火の手があがった。
 ソファに座り、奏多がじりじりと間合いを詰める。


「問答無用だ」
「きゃっ」


 莉々子は無理やり抱き上げられてしまった。


「奏多さん、待ってください!」
「待たない」
「恥ずかしいですからっ」
「莉々子の身体はもう全部知ってる。今さら照れることでもないだろ」


 確かに見られてはいるが、そういうことではない。


「いくら歯向かっても無駄だぞ。危ないからじっとしてろ」

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