俺様社長に甘く奪われました
「奏多さん、お願いがあるんです……」
「どうした」
「電気を消してもらえると……」
オレンジ色の柔らかなライトとはいえ、これでは明るすぎる。バスルームは消して、パウダールームから漏れる明かりだけでも莉々子は十分な気がした。
「さっきの話聞いてなかった?」
「はい?」
「俺が暗闇を苦手なこと」
そうだった。ついさっき百合から言われたばかりだったことを思い出す。
「だから諦めろ」
「……はい」
なんとなく口実にされた気がしなくもないが、莉々子が折れるしかないようだ。恥ずかしい思いでいっぱいのまま大人しく奏多に髪と身体を洗ってもらい、大きく丸いバスタブにふたりで沈む。温めないほうがいいだろうという奏多の指示に従い、バスタブの淵から右手だけ出した。
後ろから抱き込まれる体勢で奏多の胸に身体を預ける。莉々子は背中に感じる胸板の厚さにドキドキさせられた。