俺様社長に甘く奪われました

「私もびっくりした」
「彼にまたなにかひどいことを言われたの?」


 それに莉々子は首を横に振る。傷つくような言葉は掛けられていない。ただ、その存在自体には傷ついたことは確かだ。


「それじゃなに?」
「話がしたいから、今夜会おうって」
「え? それで莉々子はまさか行く気?」


 真紀の眉が吊り上がる。当時、傷ついた莉々子を目の当たりにした真紀だから、そんな反応をするのは当然だろう。


「なんの話だろうって」
「なんの話って、今さらなんなの? ひどい言葉を浴びせて莉々子を傷つけておいて。いったいどんな精神状態でそんなことが言えるのか聞いてやりたいわ」


 真紀が息を巻く。右手の拳を胸の前で握り締めた。


「でもね、私も聞きたいの。最初から好きでもなかったのに、どうして一年半も付き合ったのか」


 それを聞かなければ、祥真との間にきちんとしたピリオドが打てない気がしてならない。

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