俺様社長に甘く奪われました

「……お通しして」


 上田の目から隠すようにして、奏多がデスクの引き出しに手紙を突っ込む。


「社長、このごろ差出人の名前のないお手紙が頻繁に届いているようですが……」


 奏多の様子を察してか、上田が心配そうに顔を曇らせた。奏多宛ての郵便物を仕分け、彼のデスクに置くのは秘書である上田の仕事。差出人と受取日を管理しているため、怪しい封書が奏多に届いていることは、当然ながら気づいていた。


「いや、心配には及ばない」
「……そうですか。不躾なことを申し上げて申し訳ありません。もしもなにかお困りのことがございましたら弁護士の田崎先生もいらっしゃいますので、なんなりと私にお申しつけくださいませ」
「ありがとう」


 上田の心遣いに感謝しながら、奏多は小さく息を吐いた。

 自分が莉々子を完全に守り切ることができるとすれば、たったひとつの方法しかないのかもしれない。

 奏多はある考えを胸に来客を出迎えた。

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