俺様社長に甘く奪われました
はっきりと返事をしたわけではないが、莉々子の気持ち的に望月と付き合うことは“ない”と言える。
「でも今の話を社内の女子社員が聞いたら、莉々子は恨まれるだろうね」
「……それを言わないで」
莉々子の苦手な“お金持ちのイケメン”は、みんなの大好物。女子社員からの人気は絶大なのだ。そこでふと垣間見た望月の切ない目を思い出して、莉々子の鼓動がトクンと跳ねる。
(……やだな、私ってばなにを思い出してるのよ)
頭を軽く振り、その残像を振り払った。
ここ数日のうちに自分の身の上に起きたことはとにかく話せた。あとはこのフライの山を崩すのみだと、莉々子はタルタルソースをたっぷりつけたエビフライにかぶりついた。