たとえばきみとキスするとか。


「よく分かんないけど、気まずい感じなら元カレとかに会ったりするとそうなるよね」

「元カレ?」

「喧嘩別れなら普通に無視するけど、そうじゃないなら声をかけないのも不自然じゃん?かといって一回付き合ってるから友達みたいな関係に戻れるわけじゃないし、自然と独特の雰囲気になっちゃう」


たしかに昨日のは独特の雰囲気だった。


まさか柊花と零が……?

私は机に顔を伏せて寝ている零のほうを見た。


ま、まさか……ね。と浮かんだことをかき消していると、タイミングよく制服のポケットの中にあるスマホが振動していた。


【昨日はあんまり話せなかったから、今日駅前で待ち合わせしてお茶しない?】


それは、柊花からのメッセージだった。

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