甘く、蕩ける。
「・・・でも、帰らないと旦那さんが怒っ

たりしません?」

「一緒にいたいの。ちょっとでも一緒に過

ごしたい・・・ダメ?」

怒られてもいい。こうして彼と溶け合う時間

は何より幸せで、この時間を誰にも邪魔さ

れたくはなかった。

「じゃあ、こんなっ・・・事しても、いいん

ですか?」

腰を掴まれ、彼の熱い欲望を最奥に擦りつ

けられる。そのまま甘さだけが際立つほど

に身も心もほどけて堕ちた。


~20分後~

「怜香さん、また連絡しますね」

「うん」

旦那からの着信が何件も続いたので、彼が

車で家の近くまで送ってくれた。キスを交わ

して車を出ようとすると、彼が私の手に何か

を押しつけた。

「あ・・・これ」

彼が私に手渡したのは、大好きなココアだ

った。

「また何回でも怜香さんに会いたいです。会

ってくれますか?」
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