計画的恋愛
奇跡の半導体が何かは分からないけれど……
とりあえず、その胸の苦しさを人は恋と呼ぶのでは……。

自覚症状が無いのか。

「一条さんは工学部の星だったんだ……。あのまま研究を続ければ、絶対にノーベル賞だって取れたのに…ホテル経営だなんて……」

そりゃ、暁君は私の携帯に仕込ませるGPSと盗聴器を作りたかっただけなんだもん。


「それすらも納得いかないのに、突然心理学部の臨時講師……。しかも結婚した妻のためだって……」

私が言うのもなんだけど、暁君は異常な程私のことしか考えてないからね……。


「一条さん、今からでも工学部に戻って下さい!」

「嫌だよ」

「何故!?」

「俺にはひよが居れば良いから。だから諦めて」


暁君がそう答えると乾さんは私に振り返り、鋭い目付きで私を見る。


「この子の何がそんなに良いんですか……」


乾さん…目が怖いです……。


私を睨んだ後、乾さんは暁君に顔を戻す。

「俺は諦めません!絶対に一条さんを工学部に戻すまでは!どうしたら戻ってくれますか!?」


そんなにも暁君にご執心なんだね……。

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