クールな部長は溺甘旦那様!?
「それに、俺があの家にいなくとも兄貴達がすでに役職に就いているから、親父にとってはなんの問題もない」

家のことを話す剣持部長の表情は険しかった。言葉を選んで話さなければ、気分を返してしまうような気がした。

「あぁ、すまない、つまらない話をしたな」

「いいえ、それで来週末、私は剣持部長の妻として同行すればいいんですね?」

「そうだ」

剣持部長のそっけない返事が返ってくる。この前のように、自分の知らない世界を覗いてみるのも悪くない。ただ、私は人形のように剣持部長の横にいればいいだけなんだから。

けれど、まだ人妻になった実感もないし自信もない。そんなことでいいのかと不安になる。
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