クールな部長は溺甘旦那様!?
「明るい色も悪くないが、君は童顔だからかえって落ち着いた色の方がしっくりくる」

「はぁ……」

剣持部長に言われるとそうなのかな、という気になる。確かに、学生の頃から明るめでフリフリした服が好きだったけど、年を重ねるごとに心のどこかでこの服まだ大丈夫かな、そろそろこういう服は卒業した方がいいのかな……なんて思っていた。誰も服のアドバイスしてくれる人なんていなかったし、剣持部長みたいに辛口でもはっきり言ってくれた方が、本当に自分に合う服が見つかるかもしれない。

「これとこれを一度試着してみてくれないか?」

剣持部長が手にしているのは、明るめだけれど落ち着いたコバルトブルーのタイトなドレスとさきほどの紺色のロングドレス。両方とも自分に似合うか不安になるくらい大人っぽくて素敵だった。

「その両方、どちらも君に似合うと思う。好きな方を選ぶといい。俺はロビーで待ってるから」

「え? 試着したところ見ないんですか?」

「別にいい」

出た! 剣持部長の「別に」。
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