クールな部長は溺甘旦那様!?
「ん……わ!」

ベッドの縁に座っていた私に、自らの体重をかけて押し倒される形になる。ポスっと身体がベッドに埋まると急に恥ずかしさがこみ上げてきた。

「俺が前野さんと話している時、君の様子が妙だったのは……もしかして、嫉妬してたのか?」

「ち、違います! あれは――んッ」

真っ赤になって否定する私を彼はクスリと笑い、言い訳はするなと私にもう一度口づけた。

剣持部長が言うように、私は楽しそうに会話をしているふたりに嫉妬していた。なぜ、嫉妬してしまうかなんて、そんな理由自分でもわかっていた。

こんな傍若無人で勝手な人、好きになるわけないのに……。

頭ではそんなふうに思っているのに、私は彼のぬくもりを追いかけていた。自分の行動の矛盾に心がかき乱されていく。
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