クールな部長は溺甘旦那様!?
「それじゃ、ただ部長に奢ってもらっただけじゃないですか」

「部下を労うのは上司として当たり前だろう」

なんて頭の固い人なんだろう。そんなやり取りをしていると、だんだん頭がグルグル回ってきて、剣持部長の顔がマーブル状に見えてきた。

「私たち、まだ剣持部長に労われるようなことしてません!」

「お、おい!」

それだけいうのが限界だった。

剣持部長の馬鹿! なんでそんな壁を作ろうとするの?

徐々に視界が真っ暗になっていき、そして私を呼ぶ剣持部長の声だけが遠くに聞こえた。

――君は優秀な社員だと思っていたんだけどね、松川君。

――すみません! 契約が破談になってしまうなんて……私も思っていなかったことで――

――言い訳はいい。残念だが、今度から外回りはしなくてよろしい。

――そんな!

――君にはがっかりさせられたよ。
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