メーデー、メーデー、メーデー。
「…はい」
『面倒くせー』という腹の内を作り笑顔で誤魔化しながら、適当な嘘の返事をした。
「絶対してないわ、その感じ。てか、冗談だし。そんなちっちゃい貢献なんかいちいち報告されても恥ずかしいわ。それはそうと、どうするの? この花」
オレの隠し切れなかった心情を察しただろう春日先生は、オレ絡むのをやめ、花束を指差した。
…確かに。どうしたらいいんだ、この花束。持ち帰るのもしんどいし、オレの部屋に花は似合わない。
顎に右手の拳を当て『うーん』と唸りながら花の行き先を考えていると、ふと木南先生の顔が過ぎった。
「木南先生の病室に持って行こうと思います。花瓶、どこかにありませんか?」
木南先生の病室に花を飾ろうと思った。花を見て、少しでも木南先生の気分が良くなればいいなと思った。