メーデー、メーデー、メーデー。

 蟠りがなくなり、微笑み合う2人を目にして、オレまでもらい泣きしそうになった。

 「…今まで何とも思っていなかったのに、『生きたい』と願った途端に病気が怖くなってきてしまいました。…早瀬先生。手を…握っても良いですか?」

 木南先生が遠慮がちに右手を差し出すと、早瀬がその手を両手で包み込んだ。

 「相変わらず小さくて可愛らしい手をしていますね」

 早瀬先生が大事そうに、木南先生の手を撫でた。

 「『手だけは可愛い』ですか? すっかり骨と皮だけになってしまいました」

 折角褒められたのに、恥ずかしそうに皮肉る木南先生を、

 「そうやって、いつも私の言葉尻を掬って意地悪を言う木南先生の事も、『可愛いな』ってずっと思っていましたよ」

 早瀬先生が『そんなところも可愛いですよ』なんて言って宥めるから、そんなラブラブなやり取りを見ているこっちが照れてしまう。
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