メーデー、メーデー、メーデー。

 「…手を握ってもらうだけで、だいぶ安心出来ました。ありがとうござました」

 木南先生がそっと引っ込めようとした手を、早瀬先生が引っ張り、自分の方へと引き寄せた。

 「…こっちの方が安心しませんか?」

 早瀬先生が、木南先生を包み込む様に抱きしめた。

 「そうですね。とても暖かいです」

 早瀬先生の胸に顔を埋める木南先生。

 「……早瀬先生。……助けてください」

 木南先生が、しがみ付く様に早瀬先生の背中に自分の腕を回した。

 「はい。任せてください」

 早瀬先生が木南先生の不安を取り除く様に、優しく木南先生の背中を擦る。

 木南先生と早瀬先生の間の誤解が解消し、木南先生の『生きたい』と言う言葉も聞けた。

 一件落着。めでたしめでたし。宿題の提出はまた後で。と、病室のドアを閉めてその場を離れようとした時、
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