メーデー、メーデー、メーデー。
 
 「『家来』て。てか、オレの元気を馬鹿にしていますよね、桃井さん!!」

 「していませんよ。元気である事はとても素晴らしい事です。柴田先生といると、元気をもらえます」

 オレのツッコミをおどけながら受け流す桃井さん。

 桃井さんが笑ってくれるなら、元気になれるなら、何でもいいや。

 「もう、そういう事でいいです。お疲れ様です、桃井さん」
 
 会釈をしながら、仕事に戻る桃井さんを見送る。

 桃井さんが突き当りを曲がり、見えなくなったところで、

 「よっしゃ!!」

 両手でガッツポーズ。

 遂に食事の約束に漕ぎ着けた。大前進でしょう、これは!!

 美味しいものかぁ。お洒落なお店がいいだろうな。そもそも何がいいの? 和食? 洋食? 中華? あー!! 分からん!! 明日、宿題提出ついでに木南先生にお勧めの店を聞いてみよう。木南先生ならセンスの良い店を知っていそうだし。桃井さんと進展した事を話したら、木南先生はどんな反応をするだろう。木南先生のリアクションを早く見たい。

 しかし、人生とは不思議だ。

 悪い事がドミノ倒しの様に立て続けに起こったかと思えば、良い事が数珠繋ぎの様に次々と舞い込んだりする。

 このラッキーがいつまで続くか分からないし、また辛い事が押し寄せてくるかもしれないけれど、それでもオレは生きていたいと思うし、誰も死んで欲しくないと願う。
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