ただいま冷徹上司を調・教・中!
私の言葉に二人とも頭を抱える。

「なにやってんの、吉澤くんは」

「吉澤さんのくせに浮気するなんて、ふてぇ野郎ですね」

「浮気できるようなタマじゃないと思ってたんだけどね」

「そもそも浮気の相手をしてくれる人がいることに驚きですけどね」

小声で私の代わりに文句を言ってくれている二人が和宏の浮気相手を知ったら、いったいどう思うだろうか。

「本人は私が昨日来たことも、浮気がバレたことも知りません。今日の帰りに取っ捕まえて別れてやります」

いくらなんでも、このまま付き合い続けるほど馬鹿じゃない。

もう触れられるのも会話をするのも視界に入れるのも嫌だ。

「浮気するような男は性根が腐ってます。間違いなく別れて正解ですね」

一度浮気を容認したら歯止めが利かなくなるのは経験済みだ。

心を入れ替えることなど絶対に有り得ない。

「浮気は癖付くからね」

紗月さんの言う通り、浮気はかなりの高確率で再犯する。

「私、今まで男に裏切られてばかりだったから、吉澤さんみたいな人なら大丈夫だと思ってたんです。でも間違ってました」

そう、私の考えは恐ろしいほどに甘かったのだと痛感した。
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