ただいま冷徹上司を調・教・中!
検証1『ごめんな、わざわざ電話してくれて』

「これは話を聞いた私が凱莉さんよりも先に連絡したことによる言葉だと思ってました」

「俺はお母さんが倒れて大変な時に、わざわざ連絡くれたことによる申し訳なさで……」

なんと。

第一声から食い違っている。

検証2『こちらこそ、すみません。こんなときに。平嶋課長、大丈夫ですか?』

「これは、トラブル対応をしなゃいけない大変な時に電話してしまって申し訳ないなって思ったのと、トラブルに対して大丈夫ですかっていう意味です」

「俺はデートの約束をしていたのに、こんなことになってすみませんって思ってた」

いやいや、取り方ひとつでこんなにも意味合いは変わるものなのか。

検証3『ああ。問題ない。悪いが今、社内なんだ』

「これですよ!凱莉さんが社内だって言ったから、本当だって思ってしまったんです」

「俺が言ったのは社内じゃなくて車内だ。電車の中だったから長々と話せないっていう……」

「うそぉ……」

私はこれで、珍しく梨央の言っていることが本当だと思い込んでしまった。

検証4『あ、すみません。落ち着いたらまた連絡……』

『わかった。ごめんな』

「これはもう……」

「検証しなくてもわかるな……」

「凱莉さんは私が落ち着いたら連絡してくると思っていて」

「千尋は俺が落ち着いたら連絡してくると思っていた、ということだろ?」

そう、つまりは全て誤解だったんだ。

私達は面白いほど簡単に、梨央から遊ばれたのだ。
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